クリスマスやお正月などイベントの多い冬は、普段以上に健康に気をつけて、美容にもこだわりたいのに、こんな体のトラブルを感じることはありませんか?
- 手足がすぐに冷える
- 腰痛がひどくなる
- 顔色がさえなかったり、小じわが気になる
- お肌や髪が乾燥する
冬は健康も美容も色々な悩みがでてきますよね。季節特有の不調や美容トラブルに困っているかたにぜひお届けしたいのが【季節の薬膳】です。
薬膳は、陰陽や五行の考え方をつかって、冬が体にどんな影響をもたらしているかを考え、冬のトラブルの原因を紐解き、お料理やお茶で冬のカラダの不調を整えてくれます。
食をとおして冬の美容トラブルを解消したい、冬の不調を予防したいという方に国際薬膳師・薬膳素材専門士をもつ薬膳ひかりが、冬のカラダの調子を整えるための食材やポイントをご紹介します。
冬の体の変化とは?冬薬膳4つのポイントとおすすめ食材
冬至にむかい、自然のなかの陰が強くなっていくなか、私たちの体もその影響をうけます。
立冬をすぎてこんな悩みを感じたことはありませんか?
- 手足やお腹、腰のあたりが冷えやすい
- 首や肩がこりやすい
- お肌の乾燥が秋よりつよくなってきた気がする
- 髪の毛の乾燥が気になる
- 腰痛がひどくなる
- 耳が聞こえづらい
- トイレが近くなる
これらは中国の伝統医学で考えられている冬におこりやすいトラブルです。
このような体の変化がおこる原因は、大きく分けて4つあります。
- 寒さ
- 巡りが悪い
- 乾燥
- 五臓の腎が弱まっている
冬におこりやすい体のトラブルの原因を知ることで、それぞれの対策方法をおすすめの食べ物とともにご紹介していきます。
1.寒さ
冬は自然の陰が強くなり陽が弱くなるため、1年で一番寒い季節です。寒さで体が冷え、そこから免疫力の低下につながります。疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったり、体調不良の原因になってしまいます。また、手足やお腹、腰など特定の部位の冷えが起こりやすくなります。
薬膳的対策法:体を温める食ベ物をとる
薬膳では食べ物に「熱性・温性・平性・涼性・寒性」の5つの性質があるとされています。体が冷えるときには、体を温める食材をとることで、体のなかから体を温めます。
温性・熱性: 体を温める食材
平性: どちらでもない食材
涼性・寒性: 体を冷やす食材
<体の芯から温める寒さ対策におすすめ食材>
シナモン、にら、唐辛子、山椒、しょうが、羊肉、海老
<体に気(エネルギー)を補って温める食材>
もち米、かぼちゃ、なつめ、栗、鶏肉、うなぎ
2.流れが悪い
冬は寒さによって、体がこわばったり、かたくなるため、体の中を流れる気や血、水が巡りにくくなります。すると顔色が悪くなったり、手足の冷えがひどくなったり、便秘や肌トラブルにも要注意です。
薬膳的対策法:巡りをよくする食材をとる
体のなかを巡る気、血、水が滞りやすいときには、その流れをよくする食材をとります。食材にはそれぞれ役割があり、普段食べている身近な食材にも、巡りをよくするものがあります。冬は体を温める性質がある食材が特におすすめです。
<気の巡りをよくする食材>
玉ねぎ、らっきょ、みかん(特に皮、お茶におすすめ!)、金柑
<血の巡りをよくする食材>
よもぎ、お酢
3.乾燥
冬は秋からの乾燥が続きます。屋外はもちろん、屋内でも暖房やストーブで部屋の乾燥は強くなり、顔の小じわや手足の肌の乾燥、髪のぱさつきが気になりますね。そして乾燥はお肌や髪だけでなく、鼻やのどの乾燥はウイルスが侵入しやすくなり、体調にも影響がでてしまいます。
薬膳的対策法:潤す食材
乾燥には、体を潤す食材をとります。秋におすすめだった食材は潤す食材がおおいので、ぜひ秋薬膳もおさらいしてみてください。
<潤す食材>
豚肉、卵、牛乳、豆乳、白きくらげ、はちみつ、ホタテ、牡蠣、松の実、クコの実、白ごま
4.五臓の「腎」に元気がない
ここは4つのなかでも一番大切なポイントです。
五臓のなかで、冬に一番働くのが「腎」です。一年間元気に過ごすためのエネルギーをたくわえるところです。冬に一番よく働くため、疲れやすくなっているところでもあります。腎に元気がないと、耳や腰、髪にトラブルが起きやすくなったり、トイレが近くなったりします。
また、腎は成長や老化に深くかかわります。腎が元気でないと老化も早まるとされ、エイジングケアにも重要です!
薬膳的対策法:五臓の腎を元気にする食材
冬は腎がよく働く季節なので、腎に栄養を与える食材を積極的にとります。
<五臓の腎を元気にする食材>
栗、クルミ、エビ、羊肉、昆布、黒豆、黒ゴマ、ブロッコリー、長芋、にら、クコの実
五臓について、こちらの記事にわかりやすく説明していますので、あわせてご覧ください。
それぞれみた4つのポイントと対策をまとめると、
- 寒い→温める
- 流れが悪い→流す
- 乾燥→潤す
- 五臓の「腎」に元気がない→腎を養う
日々の体調をみながら、冬のおすすめ食材をとりいれて、冬を乗り切りましょう!
冬の健康&美容NGポイント
ここまで冬の健康&美容におすすめの食べ物をご紹介してきましたが、冬の体に良い食材があれば、冬の体に良くない食習慣もあります。
冬に控えたい食生活のポイントは2つです。
1.冷たいもの・生野菜・なまものを控える
自然が寒いなか生活する冬は人の体も冷えやすくなっています。そこに体をなかから冷やす食材をとると、内からも外からも体が冷やしてしまいます。また、冷たいものや生ものは消化するために多くのエネルギーをつかうので、お腹の負担もふえてしまいます。
2.水分の取り過ぎに気をつける
冬に活発な働きをする腎は、体のなかの水をつかさどります。水分を取りすぎると腎への負担が大きくなるので、冬の脱水には気を付けつつ、ほどほどにとるようにしましょう。
冬におすすめの薬膳料理&薬膳茶レシピ
薬膳料理は目的をもって食材をくみあわせて作った食養生です。食事はもちろん、薬膳茶やスイーツなども、食材の選び方で薬膳になります。
冬薬膳におすすめの食材をつかった薬膳レシピをご紹介していますので、こちらの記事もあわせてご覧ください!
冬薬膳スープ
冬薬膳スープレシピ:カラダを温めて気と血を補給!たらとながいもの薬膳スープ
冬薬膳おこわ
冬薬膳おこわレシピ:カラダをあたため気を補う【冬薬膳】ごはん 栗と黒米のおこわ
冬薬膳恵方巻
冬薬膳恵方巻レシピ:節分にも美活!新潟郷土のクルミ入り恵方巻
冬薬膳煮物
冬薬膳煮物レシピ:冬のカラダにパワーチャージ!鶏手羽元とタマネギの黒酢煮
冬薬膳粥
冬薬膳粥レシピ:冬の乾燥も克服して美活!潤う百合根と干し帆立のお粥
冬薬膳デザート
冬の薬膳スイーツレシピ①:冬の薬膳スイーツ!栗とクルミのパウンドケーキ
冬の薬膳スイーツレシピ②:冬至に温かい【薬膳スイーツ】!冬のカラダを整える黒ごまのおしるこ
薬膳茶&薬膳ドリンク
冬の薬膳茶:旬のめぐみ金柑の薬膳茶でカラダを温めてリラックス
冬薬膳のまとめ|体を温め、腎をいたわる!
冬はどういう季節か、冬の体の変化、そして寒さや乾燥対策とおすすめ食材をご紹介してきました。
冬の健康や美容には4つのポイントがありました。
寒い→温める
流れが悪い→流す
乾燥→潤す
五臓の「腎」に元気がない→腎を養う
春からの1年間を元気にきれいに過ごすためにも、蓄える季節である冬の食生活はとても大切です。上の4つのポイント、特に「腎を養う」を意識して、冬と食を楽しんで過ごしたいですね!