太平洋とメキシコ湾にかこまれ、太陽の国とも称されるメキシコ。
マヤ文明やアステカ文明など古の人々の知と技術から築き上げられた壮大なる遺跡、色鮮やかな街並み、美しい海を望むことができる白い砂浜など、世界中の人々を魅了するメキシコにはその地で育まれた食文化をあります。
ユネスコの無形文化遺産に登録されているメキシコ料理と中医学のエッセンスを融合した季節の薬膳をお届けします。
メキシコ料理【タコス】
メキシコには、約8000年前に「とうもろこし」が栽培されていたという軌跡が刻まれ、その地の食文化にもとうもろこし料理は受け継がれています。そのなかでも、世界中で食べられている代表的なメキシコ料理のひとつがタコスです。
カラフルで、自分で具を選びながらラップができるので、ホームパーティにもおすすめです!
タコスとトルティーヤはどう違う?
メキシコ料理でよく耳にするのが「タコス」と「トルティーヤ」。このふたつは混同されやすいですが、べつものです。とうもろこしの粉でつくられた柔らかいクレープのような生地「トルティーヤ」で肉や野菜などを包まれたお料理が「タコス」です。「トルティーヤ」は「タコス」の他にも三角に切って揚げたチップスや、具を包んで唐辛子のソースをかけていただくエンチラーダなど幅広いアレンジにつかわれます。
メキシコの隣国であるアメリカにも「タコス」は伝わり、アメリカ流にアレンジされたタコスがカリッと揚げられたハードシェルをつかったレシピです。
ちなみに、スパニッシュオムレツはメキシコのトルティーヤにフォルムが似ていたことから、「トルティーヤ エスパニョーラ」とスペインと呼ばれるようになったそうです。
手作り薬膳トルティーヤレシピ
カラダの余分な湿をとる「とうもろこし」は梅雨の薬膳レシピの必需素材。そのとうもろこしの粉をつかってつくります。
材料
- コーンミール 50g
- 小麦粉 50g
- 片栗粉 30g
- 陳皮 5g
- 塩 ひとつまみ
- オリーブオイル 大さじ1
- 水 300cc
つくり方
- 水に陳皮を30分浸し、火にかけ弱火で10分煎じて、冷やす
- コーンミール、小麦粉、片栗粉、塩をボールにいれ、よく混ぜる
- オリーブオイルを2に入れ、よく混ぜる
- 1の陳皮を取り出して、3に少しずつ陳皮を煎じたスープをいれ、よく混ぜる
- フライパンに油をひかずに温め、4をお玉1杯分流しいれ、両面をそれぞれ弱火で2分ほどこげないように焼いて完成
薬膳メモ
コーンミール(とうもろこし)
【素材の分類】 カラダの湿をとる
【五味・四気・帰経】 甘・平・脾/肝/腎/大腸/胃
小麦
【素材の分類】 カラダの熱をとる
【五味・四気・帰経】 甘・涼(微寒)・心/脾/腎
じゃがいも(片栗粉)
【素材の分類】 気を補う
【五味・四気・帰経】 甘・平・胃/大腸
陳皮
【素材の分類】 気の巡りを助ける
【五味・四気・帰経】 辛・苦・温・脾/肺
薬膳トルティーヤをつかったタコスのアレンジ3選
豆とはと麦のホットサラダ
カラダの湿を外に出す食材「豆」と「はと麦」をふんだんに使ったホットサラダです。トルティーヤとの相性もよく、梅雨の薬膳としても完璧な組み合わせ。
レシピはこちら!
夏薬膳ミートソース
日本の夏は湿度が高いので、夏薬膳としてもタコスアレンジができます。夏に消耗する【陰】と【血】を補い、カラダの熱をとるミートソースを包んで。レシピはこちら!
ベーコンと長いものグリル
夏は汗をかきやすく、カラダの【陰】と【気】が消耗しやすい季節。夏バテをかんじたときに、カラダの余分な湿をとり、【陰】と【気】を養います。
具のつくりかたもかんたん。ベーコン(陰を補う)、長いも(気を補う)、しめじ(気を補う)を炒るのみです!