梅雨薬膳の基本|湿やむくみをとるおすすめ食材5選&梅雨薬膳レシピ

いろは
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梅雨の季節が訪れると、洗濯物はなかなか乾かず、除湿機が手放せず、気分も塞ぎこみやすくなる日々が続きますよね。

  • だるい
  • 眠い
  • むくみや頭痛がひどくなる
  • ストレスを感じる

などの不調に悩むことはありませんか?これらは梅雨の気候がカラダに影響をおよぼしているからかもしれません。体調不良のほかにも、梅雨時期のお肌の悩みやダイエットも気になるところです。

季節特有の不調や美容トラブルに困っているかたにぜひお届けしたいのが【季節の薬膳】です。

梅雨の季節の特徴を理解して、梅雨のトラブルの原因を紐解き、薬膳の英知とともにインナーケアでカラダの調子を整えるための食材やポイントをご紹介します。また、梅雨に活躍する薬膳料理や薬膳茶のレシピも国際薬膳師・薬膳素材専門士をもつ薬膳ひかりがお届けいたします。

じとっとしたイメージのある梅雨ですが、薬膳でカラダを内から整えて梅雨対策をして、太陽の光輝く夏を楽しむ備えをしていきましょう。

梅雨とは?

梅雨の薬膳をお伝えするまえに、まずは梅雨がどういう季節なのかをみてみます。

梅雨は一年でもっとも雨が降る日が多いとされる季節です。地域にもよりますが日本では、例年5月末から6月はじめにはじまり、7月中旬くらいまでです。

梅雨がはじまることを、梅雨入りや入梅といいます。薬膳で季節を考えるときにつかわれる「二十四節気」では、芒(のぎ)のある穀物などの種まきをする季節である「芒種」の期間に入梅を迎えるとされています。稲や麦などの穀物の種まきをした後、天から降り注ぐ雨によって農作物の種が芽吹き、成長していきます。

ちなみに薬膳の発祥の地である中国では、国土が広いため、地域によって梅雨の時期が異なります。揚子江のあたりでは5~6月頃で、日本の梅雨と同じ季節に訪れます。

黄河流域では、夏の終わりから秋のはじめ頃が長い雨の季節です。この季節は梅雨ではなく、長夏とよびます。

日本では梅雨入ると、どのような気候になるでしょうか。

梅雨は雨が多く降ることによって、湿度がとても高くなります。屋外も家のなかも湿度が高くなり、家では除湿グッズが欠かせなくなります。5月の初夏の心地よい気候から、じとじとと蒸し暑い日が続いたり、日によっては前線の影響で少し肌寒い日もでてくるので、着る洋服も調節が必要になります。

梅雨の不調

梅雨がどういう季節か理解したところで、次はこの時期にみられるカラダの不調について詳しくみていきましょう。

カラダと心の不調

雨が長く降り、湿気が強くなる梅雨は、体調不良をうったえる方が多くなる季節でもあります。

薬膳や中医学では、季節の移り変わりはカラダと心にも影響をおよぼすと考えられています。梅雨には次のような不調がよくみられます。

カラダの不調

  • 朝起きたらカラダが重かったり、だるいと感じる
  • なんとなく具合が悪いと感じる日が続く
  • いつも眠い。特に食後に眠くなる
  • むくみを感じる
  • 頭が重い感じの頭痛がする
  • 偏頭痛がひどくなる
  • 鼻水がねっとりした感じになり、鼻炎がひどくなる
  • 下痢になりやすい
  • 冷えを感じる
  • 胸がつかえた感じがする
  • 食欲があまりない

メンタルの不調

  • 朝起きると憂鬱な気分な日が多くなる
  • やる気がでない
  • ストレスを感じやすい
  • いつも疲れたと感じる

梅雨に入ってからカラダや心にこのような変化がある場合、梅雨時期の自然の変化がカラダや心の健康に影響を与えていることが考えられます。

※体調が悪い場合は、自己判断せずにお医者様に診ていただいてください。

梅雨の美容

梅雨時期の湿気は、体調不良とともに、美容トラブルを起こすこともあります。特にお肌の悩みが増えるという方が多くいらっしゃるようです。

  • ニキビなどの肌荒れが気になる
  • ぐじゅっとした吹き出物ができやすい
  • 口内炎ができやすい
  • 肌がベタベタした感じがする

梅雨前は気にならなかったのに、梅雨入り前後から思い当たる項目があるという方は、梅雨に入ったことで、自然の影響をうけてカラダに余分な水分がたまっている可能性が高いです。

また、梅雨時期はむくみを感じる方にはダイエットに成功するのが難しい季節です。水は下に溜まる性質があります。特に下半身がぽっちゃりしていると感じる方は、梅雨時期は湿気が強くなり、カラダのなかに余分な水がたまりやすく、むくみが強くなりやすいでしょう。

では、梅雨にあらわれるこれらの不調はどのように対策したらよいでしょうか?次の梅雨薬膳の基本でご紹介いたします。

梅雨薬膳の基本

梅雨時期の体調不良や美容トラブルをみてきましたが、これらは梅雨におこる自然の変化が、人間のカラダに影響して、人間が理想とするカラダのバランスをくずしてしまうために起こると薬膳では考えられています。

では梅雨を乗り切るためにはどうしたらよいのでしょうか。

カラダの余分な水は、カラダの外にだす

薬膳には、人も自然の一部であるという、「整体観念」という考え方があります。自然の移り変わりとともに、自然のなかに生きる人間のカラダも変化していきます。

梅雨は自然の湿が高くなり、人のカラダのなかにも余分な湿が多くなります。

梅雨になるとお部屋の湿をとるために、除湿機や除湿剤を活用しますね。梅雨の薬膳でも同じです。

カラダの湿を外に排出する食べ物をとることで、カラダのなかにある余分な水分をカラダの外に出します。そうすることで、カラダに不要な水分をとり、バランスのとれたカラダにして、体調を整えていきます。

梅雨時期は五臓の【脾】を養う

梅雨時期は、五臓のなかで消化を担う「脾」の働きが活発になります。脾は湿気を嫌い、脾の働きがわるくなるとカラダの水分代謝の力が低くなります。そのため、梅雨時期には【脾】を養う食材を積極的にとります。

脾の調子が良いと、

  • たるみしらず
  • むくみしらず
  • 唇の色はきれいな薄紅色
  • 気持ちが落ち込みにくい
  • 食欲があり、お腹の調子も良い

など美容にも健康にも嬉しいことづくしです。

梅雨期間の食生活に避けたい3つのポイント

梅雨のカラダにとりたい食材があるのと同時に、この時期控えたいこと・気を付けたいポイントが3つあります。

  • 甘いもの・脂っぽいものを控える
  • 冷たいもの・なまものを控える
  • 食中毒に気をつける

この3つは、五臓の【脾】に負担をかけないためにとても重要なポイントです。

疲れやすいときや、食欲がないときなどもこの3つのポイントには気をつけましょう。

梅雨時期の過ごし方のポイント

五臓の【脾】に負担をかけないため、食生活以外でも普段の過ごし方にもポイントがあります。

中医学では【脾】は思い悩んだり、憂いを感じることは、【脾】の働きに影響を及ぼすとされています。まさに心とカラダはつながっているのです。そのため、梅雨時期はこのように過ごすことをおすすめします。

  • ストレスをためず、ゆったり過ごす
  • ポジティブな心持ちでいる
  • 思い悩むことを控える

梅雨薬膳でおすすめの食材5選

梅雨薬膳の基本を理解したところで、梅雨薬膳で活躍する5つのおすすめ食材をご紹介します。梅雨のキッチン必需品として、ぜひご参考にしてみてください!

豆類

豆は、大豆、黒豆、小豆など多くの種類があります。豆の種類によって、細かく分けるとそれぞれ異なる役割がありますが、どの豆も、カラダの余分な水分を体外に排出する働きがあり、五臓の【脾】を養ってくれます。梅雨時期には積極的にとりたい食材です。

すぐにスープや煮物につかえる便利な水煮されたものが缶詰やパックとしてお店にあるので、カラダの湿とり対策にキッチンにストックしてはいかがでしょうか。

豆類の詳細:梅雨の薬膳は余分な水分をカラダにためない

もやし

もやしは緑豆や黒豆などが発芽して成長したものです。ですので、豆と同じくカラダの余分な水分を体外に排出する素材として薬膳でつかわれます。

スーパーマーケットで通年手に入り、安価な素材で、むくみが気になる方におすすめです。

もやしの詳細とレシピ:カラダのなかも除湿!かんたん緑豆もやしアレンジ術3選

とうもろこし

とうもろこしも、余分な水分をカラダの外にだしてくれる食材です。ゆでる、蒸す、焼くと食べ方も色々と楽しむことができます。

また、とうもろこしは実の部分だけでなく、ヒゲもむくみに活躍する素材です。薬膳茶として活用したり、とうもろこしご飯を炊くときや薬膳スープにはお出汁としてつかえます。

とうもろこしの詳細:梅雨&夏薬膳に活躍!とうもろこしはカラダの湿も熱もとる相棒

はとむぎ

はとむぎは、漢方薬の材料としてもつかわれる素材です。漢方薬ではヨクイニンという別名になります。余分なカラダの湿をとり、五臓の【脾】を養う食薬です。

にきびやイボなどにもつかわれ、美肌にも良いメリットがあります。カラダを冷やす働きがあるので、冷え性のかたや妊婦さんは注意が必要です。

はとむぎの詳細:梅雨にも美肌にもお役立ちスーパーフード!【はと麦】

きゃべつ

きゃべつはカラダに必要な【気(エネルギー)】を補って、五臓の【脾】や胃を養う食材です。梅雨時期に疲れやすかったり、食欲がないときなどにぴったりです。

梅雨時期は生で食べるよりも、蒸したり、スープやみそ汁にいれるなど、熱を入れて食べることをおすすめします。

梅雨におすすめの薬膳料理&薬膳茶レシピ

薬膳料理は目的をもって食材をくみあわせて作った食養生です。食事はもちろん、ドリンクなどの薬膳茶やスイーツなども、食材の選び方で薬膳になります。

ここでは、梅雨薬膳におすすめの食材をつかった薬膳レシピをご紹介します。

薬膳スープ

梅雨薬膳におすすめの食材でもご紹介したきゃべつをつかった薬膳スープです。梅雨の湿気で食欲がおちたり、疲れを感じるときにおすすめです。

梅雨薬膳スープレシピ:食欲がないときはキャベツでかんたんスープ

薬膳サラダ

梅雨は【脾】を養うために、生のものはできるだけ控えたい季節です。そのため、生野菜のサラダではなく、ホットサラダをつくります。カラダの余分な水分を排出すてくれる豆&はとむぎのサラダです。

梅雨薬膳サラダレシピ:豆とハトムギのホットサラダ

薬膳デザート

カラダの余分な水分を外にだすためには、カラダのなかの気が滞ることなくながれていくことが大切です。気の巡りをよくして、【脾】を養ってくれるみかんと、はと麦をつかった薬膳スイーツ「みかんゼリー」はお子さんも食べやすいお味になっています。

梅雨の薬膳スイーツレシピ:梅雨の薬膳スイーツ!みかんゼリー

薬膳茶&薬膳ドリンク

梅雨のカラダに溜めこまれた湿をとる素材を知ることで、スーパーマーケットやコンビニでペットボトルなどで売られているお茶も梅雨時期の薬膳茶として活用することができます。

自分でカスタマイズしてつくったり、時間の無いときにはティーバッグを活用したり、楽しんでみてください。

梅雨の薬膳茶1:梅雨薬膳の定番「はと麦」+「みかんの皮」を薬膳茶で活用!

梅雨の薬膳茶2:むくみ&じとじと気分しらずの薬膳茶3選

梅雨薬膳のまとめ|カラダに水を溜めず、脾をいたわる!

梅雨とは何か、梅雨に多い不調、そして梅雨対策におすすめの梅雨薬膳についてご紹介してきました。

梅雨の薬膳では

  • カラダに余分な水分を溜めない
  • 五臓の【脾】を養う

ことが大切です。余分な水分をカラダのなかに溜めこまないことは、カラダと心の健康とともに、スキンケアやボディケア、そしてダイエットにもつながります。

雨が降り続く季節は敬遠しがちですが、自然の農作物や草木にとっては恵みの水によって、豊かに育つ大切な季節です。

いつ梅雨が明けるのかと待ちわびるより、薬膳で食をとおしたインナーケアをしながら、梅雨ならではの楽しみ方をみつけたり、お気に入りの傘とレインブーツとともにゆったりとした心持ちで梅雨の風物詩でもある紫陽花など自然を楽しんではいかがでしょうか♪

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