薬膳料理をこれからはじめる、はじめたばかり!という方におすすめしたいツールが【土鍋】です。つかう食材の性質を変えないために、薬膳では【土鍋や土瓶】をつかいます。特に鉄の調理器具は素材の性質が変わってしまうため、避けるようにします。
自宅のキッチンで、お気に入りの土鍋にそのときの自分にぴったりの素材をいれて、ぐつぐつ煮込むだけで薬膳スープのできあがりです!
薬膳では美肌へのアプローチがいくつかあります。第1回目の土鍋シリーズでは、むくみやたるみにはたらきかける美肌薬膳スープをつくります。
むくみ・たるみに【鶏スペアリブとはと麦の美肌薬膳スープ】
お肌のむくみやたるみはどうして起こるのでしょう?
中医学(中国の医学)では、「湿」と五臓六腑の「脾」、そして「肺」に関係があるとされています。
「湿」とは
中医学でいう「湿」とは、カラダに余分な水分のことです。必要のない水分がカラダのなかに留まってしまうため、むくみを引き起こします。むくみがひどくなると、下半身ぽっちゃり体形や肥満になりやすくなります。
五臓六腑の「脾」とは
「脾」は水を代謝する働きがあります。が弱まるとカラダのなかに「湿」が溜まりやすく、むくみの原因となります。
五臓六腑の「肺」とは
「肺」と皮膚はつながり、肺から送られる栄養や水分で養われています。「肺」の調子が悪いと皮膚が乾燥したり、弾力が失われ、華のない顔色になります。
レシピの薬膳メモ
<健脾補肺メニュー>
健脾補肺 → 脾を健やかに、肺を補う
このレシピは、脾と肺の働きを助け、むくみやたるみにアプローチし、顔色をあかるくします。
中国で古くから親しまれる思想である五行学説では、脾は母、肺は子とされています。脾を補うことは、皮膚につながる肺の働きを助けることとなります。
【鶏スペアリブとはと麦の美肌薬膳スープ】材料 2人分
- 鶏スペアリブ 100g
- はとむぎ 50g
- 乾燥なつめ 15g
- ながいも 100g
- はちみつ 小さじ1
- 生姜 スライス1枚
- 塩 適量
【鶏スペアリブとはと麦の美肌薬膳スープ】作りかた
- はとむぎ、なつめ、陳皮、しょうがをさっと洗って、500ccの水といっしょに土鍋にいれ、1時間ほどおく。できれば、はとむぎは一晩水に浸すのがベスト。季節によっては冷蔵庫にいれて。
- 長いもを1~2cm角くらいの食べやすい大きさに切る
- 冷蔵庫に土鍋を入れた場合は常温にもどしてからを火にかけ、沸騰したら鶏スペアリブ、ながいも、はちみつをいれ、沸騰後に弱火で30分。塩で味付けしたら完成!
材料の薬膳メモ 【素材の分類】五味・四気・帰経
鶏肉 【気を補う】甘・平・温・脾/胃
はとむぎ 【湿をとる】甘・淡・微寒・脾/胃/肺
なつめ 【気を補う】甘・温・脾/胃/心
ながいも 【気を補う】甘・平・脾/肺/腎
はちみつ 【気を補う】甘・平・脾/肺/大腸
陳皮 【気を巡らせる】辛・苦・温・脾/肺