薬膳鍋や韓国料理サムゲタンなど、ヘルシーなお料理で見かけることが多い「なつめ」。
「一日食三棗、終生不顕老」(一日3つの「なつめ」を食すと、老いない)と中国ではいわれ、世界三大美女と称された楊貴妃も「なつめ」を毎日3粒食していたと伝えられています。楊貴妃も愛した「なつめ」を紐解き、美人薬膳ライフにとりいれましょう。
なつめとは
なつめのいろは
なつめは中国北部を起源とし、日本には奈良時代に渡ったといわれています。日本では奈良時代に編纂されたとする日本最古の万葉集にもなつめが登場しています。
「梨棗黍に粟嗣ぎ延ふ葛の後も逢はむと葵花咲く」(奈良県のHPより)
と綴られ、秋の実りとともに「あなたに会いたい」という意味が込められているそうです。なつめは美人薬膳の素材であり、日本の古き美しい歌のなかにも詠まれている私たちの心にもカラダにもを美もたらす自然の恵みです。
中国でも日本でも食されてきたなつめは、古くから薬用としても用いられてきました。中国最古の「神農本草経」や明の時代の「本草綱目」など中国を代表する薬物書物にはその効能が記され、平安時代に醍醐天皇に仕えた医師が編纂した「本草和名」という薬学辞典にも記載がありました。
なつめの呼び名
なつめにはいくつかの呼び名があります。
夏に新芽がでることから「夏芽(なつめ)」と称されるようになりました。淡い黄色の花を咲かせたのち青色の実をつけ、秋の熟す頃には艶やかな紅色となります。
棗(ナツメ)一般的な食材としての名称です。
大棗(タイソウ) 漢方薬の素材としても使われ、専門的にこのように呼びます。
酸棗仁(サンソウニン) 棗の種を漢方薬の素材として使い、その名称です。
なつめとなつめやし
名まえも形も似ていることから、なつめとなつめやしは同じものと誤解されやすいですが、このふたつは別物です。なつめとなつめやしの違いはこちらです。
【なつめ】
主な生産地: 中国
英語名: チャイニーズデーツ・ジュジュべ
植物分類科: クロウメモドキ科
【なつめやし】
主な生産地: 熱帯地域
英語名: デーツ
植物分類科: ヤシ科
なつめの日本国内生産地
日本では、福井県に無農薬で棗を生産している農園があります。
通販も行われています。
なつめ薬膳メモ
【四気五味】
温・甘
【帰経】
脾、胃、心
【美人薬膳メモ】
- なつめはカラダを温めてくれる→温性の素材なので、冷え性の方や冬や梅雨時期の寒い季節に。
- なつめは気を補ってくれる→気は元気の源!疲れやすい、むくみやすい、食欲あまりないに覚えがある方に。
- なつめは血を補ってくれる→貧血っぽい、めまいがする、顔色が青白いときに!
- なつめは心を養ってくれる→不安になりやすい、寝つきが悪い、夢をよくみる、忘れやすいときに!
美容におすすめ!準備10秒、蒸らし10分でできるなつめ薬膳茶
【材料】
- なつめ5粒
- お湯 300cc
【作り方】
- タンブラーになつめ5粒をいれる
- お湯をいれて、10分ほど蒸したら完成!実も食べれます
【薬膳アレンジ】
季節や体質・体調にあわせて、なつめ+αで薬膳茶をつくりましょう。
- +紅茶 冷え性、寒い季節
- +しょうが 冷え性、寒い季節
- +黒砂糖 冷え性、寒い季節
- +竜眼肉 貧血
- +レーズン 貧血
- +甘草&小麦 イライラ