食でインナーケアを叶える薬膳の秘訣は自分のカラダを知ること!
例えば「冷え性」の場合、気の巡りが悪いのか、気が不足しているのか、血が足りないのかなどその理由によって、「冷え性」対策の薬膳レシピは異なります。
こどもの元気で健康な心とカラダをつくるための【キッズ薬膳】をはじめるには、「こどものカラダを知ること」が大切。古代から中国に伝わる思想や哲学から誕生した神秘的な中医学が説く「こどものカラダ」の5つのポイントをおさえて、【キッズ薬膳】をマスターしましょう!
こどもは陽の気に満ちている
こどもはすくすくと伸びやかに心もカラダも成長していきます。それは春の自然界のよう。1年に季節とともに陰陽が移り変わるように、人の一生も陰陽が変化していきます。少年期は春に例えられ、陽の気があふれ、カラダはどんどん大きくなり、脳も成長し、五臓六腑も発育していきます。
中医学では、こどもは「純陽之体」といいます。こどものカラダは、よく動き回り、汗をかき、エネルギーに満ちあふれています。
カラダの気の源【腎気】を充実させる道を歩み中!
中医学では「腎気未充」といわれます。
カラダのエネルギーである気(き)。この気の源となるのが【腎気】です。こどもは腎気が充実する途中にいるので、腎気が満ちたりるところにまだ達していないのです。女の子は7歳、男の子は8歳くらいになると腎気が充実してきて、髪が伸びたり、歯の生え替わりもはじまります。
腎気はカラダをまもり、邪気がカラダにはいってくれるのを防いでくれるので、腎気が充実することで、発熱や咳などが少なくなることが多いです。また、こどもがおトイレにいく回数が多いことも、腎気が満ちていないからとされています。
感情が爆発しやすいのは【肝】のはたらきが活発すぎてしまうから!
こどものかんしゃくに手を焼いたことありますか?
こどもが笑い転げていたかと思えば、大泣きしていたり、地団駄をふみながら怒ったりと、感情がころころとうつりかわります。これは、五臓六腑の「肝」がまだ安定していないからと中医学では説かれています。肝のはたらきは脳や感情につながります。肝のはたらきが安定せず興奮しやすいことによって、感情のコントロールがむずかしくなっているのです。
そして、こどもの感情があまりに不安定であると、体調不良へとつながることもあります。肝がのはたらきが安定しないことから、高熱やけいれんなどがおこりやすくなります。
おなかが痛くなりやすいのは【脾】がまだ弱いから!
こどもは消化機能をつかさどる【脾】が弱い「脾常不足」といわれています。こどもに多いおなかが痛い、嘔吐や下痢などは、「脾」が弱っているときに起きやすい症状です。
【脾】は湿気に弱く、冷たいもの、油っこいもの、甘いものが苦手です。こどもはまだ食べる量の調整を自分ではできないので、たべたいものを好きなだけ食べてしまうこともあります。これらがより【脾】を弱らせてしまうことにつながります。
こどもの【脾】についての記事はこちら。
こどもの陽の気と体調不良の関係
一つ目のポイントで「こどものカラダは陽の気に満ちている」とお話しましたが、これは体調不良についても影響をもたらします。
こどもは陽の気が強いため、病気や風邪の変化が早いとされています。例えば、咳から気管支炎や肺炎になったり、発熱からけいれんになったり。ひとつの病気が次の新たな病気へと変化していくことも大人より多く起こります。
それと同時に、陽の気がさかんなため、治りも早いです。高熱をだした翌日には、けろっと元気いっぱいになることも。
中医学で紐解く「こどものカラダ」5つのポイントをおさえて、健やかな成長を叶える薬膳を楽しみましょう。