薬膳をしっていますか?
- 美容にも健康にもよさそうな薬膳に興味がある!
- でも何が薬膳かよくわからない。
- 薬膳料理レストランでしか食べれない?
- 漢方薬が入っている薬のこと?
薬膳についてこのようなコメントを寄せられることが多くあります。
薬膳とは、薬のように食材で体と心を養う「膳」のことです。
薬膳とは
薬膳という言葉は、テレビや雑誌、ウェブなど、日本でも広く知られるようになりました。
薬膳は、中国の医学から誕生した「食材でカラダと心を養生するお食事」です。中国発祥の食文化のひとつといえるでしょう。
薬膳は、2000年もの歴史があります。古来の中国には医師や獣医などとともに、“食医”という王様に仕える職位がありました。王の食事のバランス、四季の陰陽調和、味の配合を管理することを担当していました。当時から中医学では、日々の食事が大切であったことを物語っています。
そして2000年もの時のなかで薬や食材、人の身体や疾病など多くの研究と経験が重ねられ、現在の薬膳が導きだされました。
薬膳では、体調を崩したり、体質を変えたいというとき、美くしい肌になりたいなど、その目的にあわせた食材を選び、最適な方法で調理します。日本での薬膳の第一人者ともいえる先生が、「スーパーマーケットは薬局のようなもの」とお話しされていました。私自身も薬膳を本格的に勉強しはじめる前は、漢方薬のような薬をつかった食事のみが「薬膳」というのだと誤解しておりましたが、日本のスーパーマーケットで手に入る食材で十分に薬膳をつくれます!
季節と24節気
薬膳を語るうえで不可欠であるのが「季節」です。
日本には自然がつげる美しい四季があり、春と夏のあいだには梅雨があります。
季節の移り変わりとともに、私たちのからだにも変化が訪れます。その変化によってカラダや心の不調を招くことがあります。そのような不調をよびよせないため、食によって体と心を整えるのが「薬膳」です。
薬膳では、ユネスコの無形文化財にも指定されている“24節気”をつかって自然界の陰陽の移り変わりを知り、カラダの陰陽と五臓六腑のバランスを整えます。
季節を先取りする薬膳
24節気は、1年を24にわけて季節をあらわします。春夏秋冬それぞれの季節の始まりを告げる日は、「立〇」とかきます。立春、立夏、立秋、立冬となります。
2019年の立春は2月3日でした。春は2月3日からはじまりました。
2019年の立夏は5月6日でした。夏は5月6日からはじまりました。
日本でも24節気を取り入れていますが、私は薬膳をはじめたとき、少しの違和感がありました。2月はまだまだ寒い日が続く冬なので、24節気ではすでに春。5月は新緑を楽しみ、からっとした風が心地よい日々が多いのに、すでに夏。暦では、私たちが思う季節より少し早くそれぞれの季節がはじまりますね。
それぞれの季節がもたらす自然の恵みとともに、24節気にあわせて薬膳をいただき、カラダの陰陽や五臓六腑のバランスを整え、季節の邪気をひきよせないカラダと心で笑顔あふれる毎日をおくりたいですね。
初夏の薬膳炊き込みごはんレシピ
5月6日に立夏を迎え、暦上、夏となりました。夏は五臓六腑の「心」の働きが盛んになる季節です。初夏は、春から伸びやかになる「気」の生長のため、血を消耗しています。夏に活発になる「心」を養うためにも血を補い、精神を安定させるレシピをお届けします。
【材料】
- うるち米 2合
- にんじん 1/2本
- 乾燥なつめ 5粒
- たまご 2個
- しめじ 1/2房
- しょうゆ 小さじ2
- 塩 少々
- オイスターソース 小さじ2
- ごま油 小さじ1
【つくりかた】
- なつめは200㏄の水に1時間浸したのち、5分~10分ほど弱火で火にかけさます
- なつめは種をとり、刻む ※なつめの作業が面倒な方は、1.2.は省略して、5のときになつめを他の具材と一緒にいれるでもOKです!
- 人参は千切りに、しめじは石づきをとり小房にわける
- 米を洗い、調味料となつめの煮汁をいれたのち、分量の水を加える
- 人参、しめじ、なつめをいれて炊飯器で炊く
- 炊き上がったら、溶き卵を流しいれすぐにフタをしめ、5分後に良く混ぜ合わせ完成