「こどもは大人の小さいバージョンではない!」と言われます。
こどもたちは、心も体も成長の途を一歩ずつ大切に歩んでいます。そして、小さなカラダは大人よりも自然界の変化から影響をうけやすく、季節に敏感です。梅雨の季節、こどもたちの健やかな成長とカラダのバランスを整える秘訣を中医学で読み解いていきましょう。
こどもの「脾」は成長中&傷つきやすい!
中医学には「脾常不足」という言葉があり、こどもたちの「脾」は未熟であり、働きが弱いことを意味します。五臓六腑の「脾」は、食べ物の消化や水の代謝をつかさどる大切なパート。「脾」が弱いため、おなかをこわしやすかったり、食欲が安定しなかったりします。
また、こどもたちの食生活には「脾」を傷つけやすいポイントがふたつ。
- こどもたちは食欲をコントロールすることも身につけていく途中です。大好きなものは、おなかがいっぱいでもストップすることができずに食べ過ぎてしまい、「脾」を傷つけてしまうこともあります
- こどもたちが大好きな油っこい食べ物や甘い食べ物も「脾」を傷つけやすいです
日々の食事で「脾」を養い、体調をみながら食事の食べる量や食べるもののバランスをとることを少しずつはじめていきましょう。
「脾」と梅雨の関係
古代より中国で伝わる哲学【五行学説】は、「木・火・土・金・水」の5つをベースとして宇宙にあるすべてのもの、事象、変化などを読み解き、5つのいずれかに属するとした学問です。これは陰陽学説とともに中医学にもとりいれられ、五臓とそれぞれの季節が次のように深く結びつくと説いています。
木→春→肝
火→夏→心
土→長夏(梅雨)→脾
金→秋→肺
水→冬→腎
梅雨と「脾」の関係は、古代中国の英知が紡ぎ出した【五行学説】によってしめされてきたのです。
梅雨には「脾」のはたらきが活発になるとわれ、「脾」が苦手とする湿気も自然界に多くなるので、「脾」を養うことがとても大切です。
今回のレシピはキッズはもちろん、大人も「脾」が弱りやすい梅雨時期にぜひ一緒にいただきましょう。
しらすの卵とじ丼
【しらす&卵&だし汁】は、胃腸を整え、疲労回復のためのレシピとしてつかわれます。
それをアレンジして、「脾」をしっかり養うワンプレートレシピです。
材料
- しらす 75g
- 卵 3個
- グリンピース 50g
- 米 1合
- 陳皮 3g
- つゆの素 大さじ1
- ごま油 適量
つくりかた
- お米を研ぎ、通常通りの水の分量に浸し、陳皮をいれて30分置いたのち、炊飯スタート
- フライパンにごま油をひき、しらすとグリーンピースを炒める
- 溶いた卵にめんつゆをいれ、2に流し入れ、火を通す
- ご飯が炊けたら陳皮は取り出し、ごはんを器にいれ、3を上からのせて完成
※今回はふたり分のためうるち米1合としていますが、2、3合炊いて、梅雨時期に【気を補い、巡りをよくする】たきこみご飯として、活用してもOKです!
材料薬膳メモ
しらす(白魚)
【素材の分類】 カラダの余分な湿をとる
【五味・四気・帰経】甘・平・脾/胃/肝
卵
【素材の分類】 陰を補う
【五味・四気・帰経】甘・平(黄身)・涼(白身)・肺/心/脾/肝/腎
陳皮
【素材の分類】 気の巡りをよくする
【五味・四気・帰経】辛・苦・温・脾/肺
グリンピース
【素材の分類】 気の巡りをよくする
【五味・四気・帰経】甘・平・脾/胃
うるち米
【素材の分類】 気を補う
【五味・四気・帰経】甘・平・脾/胃