秋分を迎え、朝夕は冷たい風が届くようになりました。
秋の食生活や日々の過ごし方は、夏の暑さをクーリングダウンして、これから訪れる冬のためのカラダや美肌へのウォームアップに大切な季節!
秋の自然の恵みをいただきながら、美人度アップにもキーとなる秋薬膳のエッセンスを日々のライフスタイルに少しずつとりいれてみませんか?
陰陽で紐解く【秋】は心穏やかに過ごす
自然界の陰陽は、季節とともにそのバランスが変わります。
秋は【陽消陰長】といわれ、【陰】が徐々に強くなり、【陽】が少なくなっていく季節です。太陽が地を照らす時間が短くなり、気温も下がりはじめるとともに、春と夏に生長してきた自然界の木々の葉は黄色や赤へと色づき、収穫を迎え、冬が少しずつ近づきます。
中国で最古といわれる医学書「黄帝内経」には、
【秋は早寝早起きをして、心穏やかに過ごすこと】
をすすめています。
風になびかれ色づいた葉が落ちていく景色に、「悲しみ」や「憂い」の感情につながりやすい季節なので、心穏やかにゆったりとした気持ちをもつほっこりタイムに薬膳茶をいただいて心とカラダを整えましょう。
秋薬膳を紐解くポイントは、五行学説!
中国で古くから伝わる五行学説では、自然界や人のカラダにかかわるものすべては【木・火・土・金・水】のいずれかにわけられ、それぞれが関係し合い、そのバランスが変化していくとされています。季節も、カラダも、感情も、この5つのいずれかに分けられます。
秋は五行の【金】のグループ。このグループには、秋薬膳のヒントがちりばめられています。
- 五季→「秋」
- 五気→「燥」
- 五色→「白」
- 五臓→「肺」
- 五腑→「大腸」
- 五体→「皮膚」
- 五志→「悲、憂」
があります。
【金】の五行グループが、秋薬膳を紐解くポイントとなります。
中医学では、自然界のうつりかわりと人のカラダは深くつながるとされています。
秋がカラダにどのような変化をもたらすか、五行学説とともに読み解き、薬膳でカラダをととのえましょう。
秋の邪気「燥邪」を克服して、美肌&健康に!
五行学説には、五気(自然界の気)を「風・暑・湿・燥・寒」としています。秋が属する【金】グループは、「燥」の気です。自然界の「燥」が強くる秋には、「燥邪」といわれる邪気が強くなり、「燥邪」がカラダに入ると、
- 口や鼻が渇く
- 肌や髪が乾燥する
- 便秘になりやすい
- 喉が乾燥で痛くなる
などがおこります。
「燥邪」は美容にも健康にも大敵!秋にカラダを潤す食材を積極的に食すことで、夏で疲れ、秋で乾燥が強くなる肌もカラダも潤し、冬への準備をしましょう。
秋分の日が分ける【温燥】と【涼燥】を知り、カラダを整える!
8月8日に立秋を迎えて暦では秋がはじまりますが、「秋分の日」あたりを境として、中医学では秋を【温燥】と【涼燥】のふたつの季節に分けて考えます。
【温燥】の時期には、まだ暑い夏のなごりが強くあるため、カラダを冷やす食材をとります。【涼燥】では冬の準備がはじまるので、カラダを温める食材をとるようになります。ドリンクでは、秋分の日までは緑茶や麦茶、秋分の日を迎えた後は、紅茶やほうじ茶などに変えてはいかがでしょうか。
カラダは気温の変化に敏感なので、温度調節を羽織りものとともにカラダの内からもケアをはじめましょう。
「秋」と「肺」と「お肌」の深い関係
中医学では、五臓六腑の「肺」とカラダの一部である「皮膚」は通じているとされ、「肺」が健康であれば、お肌(皮膚)も美しいとされています。肺の状態がお肌に影響をもたらします。
秋は肺の働きが活発になる季節なので、肺をしっかり潤すことで、美肌へとつながります。
これも五行学説の【金】グループ、
- 五季=「秋」
- 五臓=「肺」
- 五体=「皮膚」
から導きだされています。
肺を潤す美肌薬膳ドリンク【白ごまはちみつ豆乳】
秋は肺の働きが活発になり、【燥邪】によって傷つきやすくなっている肺を潤すことが美肌にもつながります。五行学説の【金】グループに、色は「白」とありますが、秋の薬膳に多く使われる食材は「白」いものが多くあります。肺を潤す食材をふんだんに使った白い秋薬膳のドリンク、【白ごまはちみつ豆乳】のご紹介です。
秋薬膳ドリンク【白ごまはちみつ豆乳】材料とつくりかた
材料
- すり白ごま
- はちみつ
- 豆乳
つくりかた
- 1/3くらいの量の豆乳をグラスにいれる
- はちみつと白ごまを1に入れ、よく混ぜる
- 2に残りの豆乳をいれて、よく混ぜて完成
薬膳メモ
白ごま
【素材の分類】 陰を補う
【五味・四気・帰経】甘・平・肺/脾/大腸
はちみつ
【素材の分類】 気を補う
【五味・四気・帰経】甘・平・脾/肺/大腸
豆乳
【素材の分類】 咳や痰を改善する
【五味・四気・帰経】甘・平・肺/胃/大腸/膀胱