【新潟県三条市】冬に行われる大和地和紙の紙漉き体験記

昨年の4月に新潟に移り住み、初めての新潟の冬を迎えました。今年は例年にない暖冬のため雪が少なく、オープンしているスキー場も限られているようです。雪対策で買ったスコップはまだストックルームで眠っています。

新潟にきてから魚釣りをしたり、稲刈り体験をしたり、日帰り温泉やスノーパークへ行ったり、新潟のワイナリーを訪れたり。そして、これまで興味のもっていたものに取り組もうと思い、カリグラフィーを学んだり、日本文化や食文化に触れる機会をつくりはじめました。

今日は薬膳から少し離れて、ものづくりの町とも称される新潟県三条市で受け継がれる和紙つくりを体験したので、そのご紹介です。

江戸時代から受け継がれる手作りの和紙の美は、心豊かなライフスタイルを彩ってくれることでしょう。

【和紙】の歴史を紐解く

カリグラフィーを習い始めて文字とともに、その文字を綴る紙に興味をいただきはじめました。風合い、光沢や厚み、色味など、それぞれ異なる美しさや魅力を放ちます。

古代にさかのぼると、紙は存在しなかったため石や粘土板などに文字を刻み、紀元前3000年頃にはエジプトで植物からつくられた「パピルス」と呼ばれるものや、3~4世紀頃からは羊皮紙をつかいはじめ、15世紀頃まで使われ続けたそうです。

紙の発祥は中国とされ、日本に伝わったのは5,6世紀頃ではないかといわれているようです。奈良時代になり写経によって紙が広く使われるようになり、平安時代に仏教がより盛んになったことで紙の必要性がそれまで以上に高まりました。

中世のヨーロッパで修道院の写字室で書物が制作され、カリグラフィーが発達していったことなどからも、宗教と文化は古から蜜月な関係で栄えてきたことがうかがい知れます。

江戸時代には紙の必要性が高まり、明治には和紙を機械で生産されるようになりましたが、西洋の文化が日本に入ってきたことで、障子やふすま、傘やはがきなどにつかわれていた和紙の生産が少なくなっていき、和紙離れが進んでしまっている現状もあります。

そのようななか、新潟県三条市の大和地では、地元で育てた楮(こうぞ)をつかった和紙作りが約500年にわたり受け継がれ、この伝統を住民のかたのボランティア活動で守り続けているそうです。

新潟県三条市の大和地和紙で紙漉き体験

新潟県三条市には、世界に誇るものづくりをされている工房が数多くあります。その三条市内の大和地にある自然豊かななかに佇む大和地和紙工房さんを訪れました。

江戸時代には、村松藩に納められていた和紙で、丈夫なため傘や雨具などにも使われていたそうです。

工房のなかに歩みをすすめると、薪で火をおこす大きなストーブがあり、そこを囲んで工房のみなさんが作業をはじめる前に顔をあわせます。

大和地和紙は、地元で育てた楮(こうぞ)をつかってつくられます。これも地産地消ですね。

工房内の様子

工房のみなさんで刈り取った楮を釜で煮ます。天井からつるされていた大きな鐘のようなこちらが釜のようです。

煮た楮の皮をとり紙の素材となる部分をとりだしますが、ワラの上で皮はぎの作業を行います。

初めての作業ではなかなか上手に皮をはぐことはむずかしそうです。

この紙の素材となる部分をジューサーといわれる機械にいれて、細かくして、あく抜きなどを行い、紙をつくるための楮の繊維をとりだします。

皮をとった 楮 を繊維にするためのジューサー

楮の繊維を水とノリにまぜあわせ、紙漉きをするためを紙料液をつくり、そして紙漉きを行います。

手前に紙料液が多くなってしまったので、やり直しに!
均等になり成功!
漉き終わった紙をこの後乾燥工程へ

紙漉きを行った後、乾燥をさせて完成となるため、完成品は後日郵送で送ってくださります。大和地和紙は植物からつくられるため、腐ってしまうことなどを考慮し、紙漉きは寒い季節に行うそうです。

お土産に大和地和紙のはがきセットを購入しました。6枚入りで300円です。

今回の体験は、三条市公式観光サイトを参考に電話予約をして伺いました。

体験や見学には事前予約が必要となります。

新潟県三条市の大和地の近くの立ち寄りスポット

大和地和紙工房から車で5分ほど行ったところに、道の駅がありましたので帰りに立ち寄りました。

道の駅漢学の里しただ

紙漉き体験が終わったのがお昼時だったので、道の駅漢学の里しただを訪れました。

農家レストラン「庭月庵 悟空」でランチ。大きな窓に囲まれ自然光が差し込む店内は、木のぬくもりが感じられるデザインで、テーブル席とお座敷席がありました。

地元の農家で育てられた三条ポークや野菜をつかったメニューに迷いましたが、私たちはこちらをいただきました。

三条ポークのやわらか炙り丼

大谷ダムカレー

しただ野菜と海老の八木ヶ鼻天丼

ランチの後には、隣接の農産物直売店彩遊記へ。

旬のお野菜や加工食品などが取りそろっていました。珍しい「ウコンの葉」を販売していたので、お茶にしようと購入してみました。

漢学の里 諸橋轍次記念館

道の駅の通り向かいには、漢学の里 諸橋轍次記念館がありました。

大漢和辞典を編纂した諸橋轍次さんの記念館です。

こどもたちの漢字の勉強に役立てばと思い、立ち寄りました。諸橋轍次さんが生涯取り組まれてきた漢学や漢字についての展示のほか、こどもたちにわかりやすい漢字の成り立ちがわかるサークルビジョンもあり、最後には中国古典名言おみくじも楽しみました。

道の駅から新潟市内への帰路に、五十嵐川で優雅な白鳥の姿をみかけました。

例年は雪景色のなかの白鳥をみることができるそうです

完成した大和地和紙が届くのが、楽しみです!

これまでの新潟にまつわる記事もよろしかったらご覧ください。

<参考文献>

世界遺産になった和紙②(著:こどもくらぶ 発行所:新日本出版社)